
うなぎといえば、高級食材というイメージが強い食材の一つです。
高価な食材でありながらも高い人気を誇るうなぎですが、どのような魚かご存じでしょうか。
今回は、うなぎの生態や特徴に関してご紹介します。
うなぎってどんな魚?

うなぎは、うなぎ科ウナギ属に属する魚であり、その種類は世界で19種類が確認されていますが、実際に食用とされているのは4種類です。その多くの生息域は、本州以南から東アジアに分布しています。
うなぎは、成魚になると体長は1mとなり、最大で約1.3mほどになりますが、一般的には40㎝~50㎝程度のものがほとんどです。天然のうなぎは成熟するまでに5年~10年ほどかかるのですが、養殖のうなぎの場合は、エサ等を調整することで約半年から2年ほどで食べられるようになります。体は細長で円筒型、口が大きく、遊泳速度が遅い魚です。
一般的に淡水魚として知られていますが、うなぎは「降河回遊」という生態です。ニホンウナギの仔魚レプトセファルスは、海域で産卵・孵化を行い、黒潮に乗って北上して秋から冬にかけて日本列島の河川をのぼってきます。
うなぎのぬめりは何のため?3つの理由

うなぎの特徴の一つとして、体がぬめぬめしているという点がありますが、このぬめりは「ムチン」という糖を多く含んだたんぱく質でできています。うなぎムチンを分泌させる理由としては以下の3点の理由があります。
- 皮膚呼吸を可能とするため
- 浸透圧を調整するため
- 外敵から逃れるため
この3点について少し詳しく解説していきます。
皮膚呼吸を可能とするために「ぬめり」が必要
うなぎはエラ呼吸だけではなく、皮膚呼吸も同時に行っている魚です。呼吸の約40%をエラ呼吸で、残りの約60%を皮膚呼吸で行っています。皮膚呼吸をするにあたって、体の表面には水分が必要になりますが、そのときに保水効果の高いムチンを分泌することでそれを可能にしています。
浸透圧を調整できる
うなぎは海で生まれたあと、川に上ってきて生活する習性のある魚です。ほとんどの魚は、浸透圧の問題から海水か淡水のどちらかでしか生きられません。(浸透圧とは、濃度が違った2つの水が隣り合わせのときに、濃度を一定に保とうとして水分が移動する力のことです。)
しかし、うなぎは皮膚からムチンを分泌しているので、その浸透圧の影響を防いでくれます。また、保水機能が非常に優れていているため、水から出ても一日程度であれば陸でも生きることができます。そのため成長に合わせて、海水でも淡水でも生きることができるのです。
外敵から身を守る
うなぎを素手で触ったことがあるでしょうか。うなぎは手で捕まえようとしてもムチンによるぬめり効果で手からするりと逃れていってしまい、非常に捕まえるのが困難です。分泌されたぬめりは、外敵から身を守るためにも重要な役割を果たしています。
土用の丑の日になぜうなぎを食べるのか

「土用の丑の日」という言葉を聞いたことがありますか?夏になると「土用の丑の日」とスーパーなどで大きく宣伝され、うなぎを食べる習慣が日本にはありますが、なぜこの日にうなぎを食べるようになったのか、また「土用」とはいったいどのような意味なのか意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
「土用の丑の日」とは
「土用の丑の日」とは、土用の期間におとずれる十二支が丑の日の事です。
土用というのは、立春(2月4日頃)、立夏(5月5日頃)、立秋(8月7日頃)、立冬(11月7日頃)の前の18日間のことをいいます。また、昔は日にちを十二支で数えていたため、このような名前が付いています。本来は、先ほど述べたように土用は年4回ありますが、一般的に「土用の丑の日」とは、夏の土用の丑の日を指します。また、その期間中の丑の日を「土用の丑の日」と呼ぶため、年によっては2回あることもあり、二回目の丑の日のことを「二の丑」と呼びます。
ちなみに、読み方は同じですが、土曜と土用は関係がないので気をつけてください。
平賀源内がうなぎを食べると決めた?

通説ありますが、今回は平賀源内説をご紹介します。
うなぎを食べる習慣が一般的に広まったのは、江戸時代です。一説によれば、夏場になるとうなぎの売り上げが下がるとうなぎ屋が蘭学者の平賀源内に相談したことから生まれたアイディアだとされています。源内は、うなぎ屋の店先に以下のような張り紙をすることを勧めたそうです。
「本日丑の日」
土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし
この張り紙の影響でこのうなぎ屋はとても繁盛しました。そこから、他のうなぎ屋もこれを真似したところ、【土用の丑の日はうなぎを食べる日】というのが定着していったとされています。
栄養満点のうなぎを自宅で楽しもう
うなぎは、万葉集にも詠まれているほど昔から日本人に愛されている食材の一種です。大伴家持が詠んだ歌で、夏バテには栄養価の高いうなぎを食べると良いというものがあり、そこからもうなぎの栄養価が昔から期待されていることが分かりますね。
現代では、美味しいうなぎがご自宅でも楽しむことができますので、以下の厳選されたうなぎをぜひチェックしてみてください!