
みなさんは、しらすが何の子どもか知っていますか?
しらすは身近な食材ですが、どんな魚の稚魚なのか、意外と知られていません。
今回は、しらすについて解説していきます。
しらすって何の子ども?

しらすは、「しらす」という名の魚の子どもではありません。実は、イワシやアユ、ウナギなど体に色素がない白色~透明な稚魚の総称のことを指しています。その中でも、カタクチイワシの稚魚のことを一般的に「しらす」と呼んでいます。
主に卵からかえって2㎝程度までが「しらす」と呼ばれ、3㎝になると親のイワシのように色素のなかった体が銀色になり「カエリ」と呼ばれるイワシの成魚前という意味の名前になります。そこから5㎝ほどの大きさになって初めて「イワシ」と呼ばれます。
「しらす」と「ちりめんじゃこ」の違いって?呼び方の違いは作り方(干し方)!
一言でしらすといっても、その作り方や地域によって呼び方が違います。
大きく分けて、しらすは3つの呼び方に分類されています。
まず「釜揚げしらす」と呼ばれるものはしらすを茹でただけのもので、「しらす・釜揚げしらす・釜揚げ」などとも呼ばれています。次に「中干ししらす」ですが、これは先ほどの釜揚げしらすを2時間ほど天日干しして水分を飛ばし、少し乾かしたものを指します。「太白ちりめん・しらす干し」とも呼ばれます。最後に「上干チリメン」ですが、これは茹でたしらすを半日ほど天日干しにして、しっかりと水分を飛ばしてよく乾かしたものを指します。ちりめんじゃこと呼ばれるしらすはこの上干チリメンのことです。
釜揚げしらす

茹でただけのもの
- しらす
- 釜揚げしらす
- 釜揚げ
中干しシラス

茹でたしらすを更に2時間程度天日干しして、少し乾かしたもの
- 太白ちりめん
- 中干しシラス
- シラス干し
上干チリメン

茹でたしらすを半日程度天日干しにして、よく乾かしたもの
- 上干ちりめん
- ちりめんじゃこ
- ちりめん
しらすの旬はいつ?

日本人にとって身近な食材であるしらすは、禁漁の時期を除けば一年中楽しむことができる食材です。禁漁の時期は、地域によって違いますが、兵庫県では12月〜3月、静岡県や神奈川県では1月〜3月頃が禁漁とされています。
- 兵庫県…4月〜5月、9月中旬〜11月(旬の時期が2回あります)
- 静岡県…3月中旬頃〜10月
- 神奈川県…禁漁を除いて年間で美味しい
神奈川県では年間を通してしらすを美味しく食べることができますが、特に4月~5月に獲れる「春しらす」は甘みがあり非常に美味しいとされています。相模湾で獲れる「湘南しらす」は、有名で観光客からの人気も高いです。
しらすがもたらしてくれる嬉しい効果!
歯や骨の形成を促進する効果!
しらすには、カルシウムやビタミンDが含まれています。カルシウムは歯や骨を形成するのに重要な栄養素であり、骨粗しょう症の予防や子どもの成長の助けとなる成分です。またビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける効果があります。そのため、一緒に取ることでより一層丈夫な骨や歯の形成が期待できます。
神経を修復!ビタミンB12
しらすに含まれるビタミンB12は、脳神経や脳細胞の再生を促す効果があります。また自律神経失調症や不眠症に効果があるだけではなく、貧血を予防する効果もあるため、貧血気味の方や女性は積極的に取ると良い成分と言えます。
脳血栓・心筋梗塞を予防する効果!セレン
しらすには、脳梗塞、心筋梗塞などの血栓症の予防が期待できる「セレン」と呼ばれる栄養素も含まれています。セレンには、血管を広げ血液が固まるのを防止してくれる効果があると言われています。
しらすを食べて骨粗しょう症などの予防をしよう!
しらすは美味しいだけではなく、病気の予防などにもなる栄養素が多く含まれているので日々のおかずの一品としてぜひ加えてみてください。