
定置網漁の課題として、市場に出しても値が付かない魚が獲れ過ぎてしまうことが、まれにあります。海の魚も大切な命・大事な資源なので、漁師さんや生産地市場の方々も懸命に販売の手を尽くすのですが、鮮度落ちも早く、時には無駄にしてしまうこともあるそうです。
「これをどうにかしたいんですけど…」
平塚漁港・日海丸の漁師さんからわれわれ川崎北部市場にそのような相談があり、早速、現場でお話をうかがってみると、問題はたくさんありました。
- いつ、たくさん獲れ過ぎてしまうのか分からない
- 何が、獲れ過ぎてしまうのかも分からない
- 水揚げ後は早急に販売・加工をしなければならない(獲れ過ぎるのは小さい魚が多く鮮度落ちが早いため)
- 獲れ過ぎると何日も続く事があり、販売面でも飽きられ、加工面でも在庫が過剰に増えてしまう
- そもそも大量加工になるため、それに応じて頂ける加工業者さんをまず近くで探さなければいけない

現在、クックパッドマートさんを通じて一般消費者へのクイック販売を実施する、蒲鉾メーカーさんに練物への加工を依頼する、シラス加工業者さんに煮干しへの加工を依頼する、…などの取り組みの調整中です。こちらの活動内容についても、逐一報告させていただきます。
本来なら、獲れ過ぎてしまう方法の改善が根本的な解決ではあるのですが、長く続いてきたやり方を変えるには、国からの全面的な指導がない限りむずかしいと感じています。微力ながらも、それまでの間の、海の資源の無駄やロスを減らすことに対して貢献できればと、われわれは願っております。